オナガシジミ Walnut Hairstreak シジミチョウ科 | |||
![]() 1979年8月2日撮影(岩手県岩手市玉山区) | |||
【 学 名 】 | Araragi enthea (Janson,1877) | 【 大きさ 】 | 小 |
【 時 期 】 | 7月~8月(夏) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 山地の川沿い | ||
【 内 容 】 | 岩手県にはオニグルミの木が多い。天気の良い夏の夕方、オニグルミの木の下にいってみると、活発に樹上を飛び交うシジミチョウをみることがある。これがオナガシジミである。翅表は黒褐色一色できれいな蝶ではないが、長い尻尾(尾状突起)があり、翅裏の独特の黒褐色の斑点がある。雌雄の色彩・斑紋はほとんど同じである。 国外では朝鮮半島、中国東北部、中国西部、ウスリー、アムール台湾に分布する。国内では本州、四国に分布する。本州中部以北の山地のクルミ林にはまれでない。中国地方では鳥取県、岡山県、島根県龍局部的な産地がある。 年1回の発生で暖地では7月下旬に、北海道では8月になってから出現する。昼間はクルミの木の葉の上に静止している。同じオニグルミの木に、多数の固体が発生しているのが普通で、撮影のチャンスは多い。幼虫は、オニグルミ、ヒメグルミなどのクルミ科の植物を食べる。卵で越冬する。属は異なるが、翅裏の斑紋がオナカシジミに、やや似ているのがウスイロオナガシジミ Antigius butleri (Fenton, 1882)である。 ウスイロオナガシジミの翅表は灰褐色で、後翅に白斑がある。この蝶は北海道、本州、九州に分布する。九州では、霧島山の栗野岳のカシワ林が産地として知られている。一般に固体数は少ない種類である。 |