メスアカムラサキ Danaid Eggfly タテハチョウ科 | |||
![]() 1982年8月1日(沖縄県石垣市) | |||
【 学 名 】 | Hypolimnas misippus (Linnaeus,1764) | 【 大きさ 】 | 大 |
【 時 期 】 | 【 発生数 】 | 迷蝶(季節風・台風後に、たまに目にする) | |
【 生息地 】 | (迷蝶のため生息地なし) | ||
【 内 容 】 | 雌と雄は翅の色彩が明らかに違う。雄の翅の表は黒色で、前翅と後翅の真ん中に、白い大きな紋があり、その周囲が紫色に輝く。雌の翅は、表の大部分が橙色である。 オーストラリアを含む東洋熱帯、アフリカ、アメリカの熱帯、亜熱帯に広く分布する。わが国では八重山諸島に産する。地理的変異は知られていない。食草はスベリヒユ科、ヒユ科の植物である。 この蝶は、毎年日本各地で採集されるが、土着種ではなく、南方から飛来したもの、または、それに由来する個体とされている。夏から秋にかけての季節風、あるいは台風に乗ってくると考えられている。 幼虫、さなぎは寒さに弱く、日本本土では越冬できないらしい。メスアカムラサキの採集例は九州に多い。佐賀市郊外の某場所では、毎年のように採集されている。面白いことに発見場所が毎回同じである。 南方から飛んできた雌が近くの食草に卵を産み、そこで、ある数の個体が発生すると推定される。なぜ毎年、同じ場所に飛来するのか、それは大きななぞである。このように、わが国の土着種でなく、海を渡って日本に飛来する蝶は“迷蝶”と呼ばれる。 “迷蝶”の出発地は、フィリピン、台湾が多いが、中国大陸からのものもある。佐賀県では、毎年、メスアカムラサキをはじめとして、何種かの“迷蝶”が採集されている。 同じ属の迷い蝶、リュウキュウムラサキ Hypolimnas bolina (Linnaeus,1758)が唐津市と鳥栖市で記録されている。 | ||
![]() 佐賀昆虫同好会会員 廣川典範氏所蔵標本(1986年11月5日 沖縄県石垣島で採集) | |||
![]() 2004年11月15日撮影 (Australian Butterfly Sanctuary,Kuranda, AU) |