クモガタヒョウモン Anadyomene Fritillary タテハチョウ科 | |||
![]() 1975年7月27日撮影(岩手県岩手山) | |||
【 学 名 】 | Nephargynnis anady omene (C.&R.Felder,1862) | 【 大きさ 】 | 中 |
【 時 期 】 | 5月~6月と9月~10月(春・夏・秋) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 稀に山地帯 | ||
【 内 容 】 | ヒョウモン類の後翅裏面は、銀の条や斑点があって、それなりに凝った模様があるが、クモガタヒョウモンだけは、造物主が最後の色塗りをしないで、そのままに放置したような単純な色彩・模様である。このような裏面の特徴から、他のヒョウモン類とは容易に区別できる。雌には前翅の表面と裏面に、先端近くに白い小さな1個の紋があるが、雄にはこれが無いことから、雌雄の区別ができる。 この蝶は、朝鮮半島、中国、アムール、日本に分布する東亜特産種である。わが国では北海道、本州、四国、九州に分布する。分布は広いが、一般的に個体数は少ない蝶である。他のヒョウモン類のように草原に群生することはない。年1回の発生で、暖地では5月中・下旬から発生する。羽化後しばらくは活動するが、間もなく暑さを避けて夏眠に入り、夏場は活動しない。秋に再び出現して花を訪ねる。寒冷地では7月に発生し、夏眠はしない。幼虫はスミレ類を食べる。幼虫で越冬する。 私は佐賀県内で、まだ、この蝶を見たことがない。佐賀昆虫同好会員の溝上誠司氏によると、クモガタヒョウモンは、佐賀県では山地帯にまれに見られ、現在では、著しく個体数が減少している種のひとつであるという。 |