蝶の詳細

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スミナガシ    
Asian Constable Butterfly    タテハチョウ科

佐賀昆虫同好会員 廣川典範氏所蔵標本 (1992年8月22日 大分県九重山黒岳で採集)

【 学 名 】Dichorragia nesimachus nesiotes Fruhstrfer,1898【 大きさ 】
【 時 期 】5月~8月(春・夏)【 発生数 】
【 生息地 】平地から丘陵地の樹林
【 内 容 】 スミナガシとは、まことに、ふさわしい名を付けたものである。翅表の地色は黒いが、単一の黒ではなく、微妙に変化がある黒である。前後翅の辺縁に、V字型の白い斑紋が並んでいる。雌雄で色彩・斑紋は同じである。春型は夏型に比べて小型で白斑は強い。
 国内における地理的変異は知られていない。国外では朝鮮半島、台湾、中国、ヒマラヤ、マレー諸島にまで分布する。わが国では本州、四国、九州(南西諸島を含む)に分布する。本州では青森県から山口県まで見られるが、東北地方北部では非常にまれである。年2回の発生で、春型は5 ~ 6月、夏型は7~ 8月に出現する。食餌植物は、アワブキ、ヤマビワなどのアワブキ科の植物である。蛹で越冬する。
 スミナガシは、早く飛ぶが、花には来ないで、クヌギなどの樹液や果実に集まる。この蝶は佐賀県内の各地に産地が知られていたが、雑木林の伐採などによる食樹の減少で、現在では県内の稀少種となっている。
 私のスミナガシとの出会いは古く、少年時代である。高知市の北山の林で樹液を吸っているのを採集した。1980年に佐賀市に来てからは、国立肥前療養所に医大生をつれて行ったとき、大きな建物の中の天井に近い窓ガラスに、1頭のスミナガシがバタバタしているのを見つけた。それ以後は、県内では一度も遭遇していない。
 現在、佐賀県で採集記録が少なく明らかに減少している。

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