蝶の詳細

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ゴマダラチョウ    
Japanese Circe    タテハチョウ科

2013年5月6日撮影(佐賀市鍋島町蛎久)

【 学 名 】Hestina japonica (C.&R.Felder,1862)【 大きさ 】
【 時 期 】5月~8月(春・夏)【 発生数 】
【 生息地 】平地から丘陵地の樹林
【 内 容 】 翅の表は黒地に白の斑が入った模様で、裏は地色が少し茶色味を帯びているが、表と殆ど変わらない。雌雄で色彩斑紋に大差はないが、雌は翅形が幅広く丸みを帯びる。北海道,本州、四国,九州に分布する。国外では、朝鮮半島,中国に分布する東アジア特産種である(朝鮮半島,中国産は、それぞれ別亜種)。普通、年2、3回発生する。クヌギなどの樹液に集まる。食餌植物は、榎などのニレ科。幼虫で越冬する。
 小学校の同じクラスに昆虫少年のO君がいた。彼は私のライバルであったが、私より、はるかに多くの蝶を採集していた。
 初夏の日、私はO君、K君と3人で蝶採集のため、高知市の久万川の北にある榎の下に来た。初めて見る蝶が榎の上を回っているが、なかなか降りてこない。だれも捕っていないゴマダラチョウだ。ゴマダラチョウは普通の蝶であるが、そのころの私たちには、まだ珍しかった。30分もねばったころ、1頭が私の網がとどく所にきた。私は狙いを定めて網をさっと振った。
「とれた!」
 一瞬胸がときめき網の中をみた。いない。影も形もない。その時、急に後ろで「わあ、とれた、とれた」とO君の歓声が上がった。私が逃がした蝶を次の瞬間にO君が捕らえたのだ。私は完全に負けたのだ。「もう1匹捕ろう」と言ってO君は、その場所を動こうとしない。しばらくして、O君は網を振った。網が木の枝に当たって木の葉が散った。蝶は逃げて行った。
 すると、O君は突然かがみ込んで「ウアーン、痛い、痛い」と大声で泣きだした。ハチの巣をたたいて、アシナガバチに襲われたのである。O君は片手で頭を押さえ、片手に網を持って泣きながら、久万川の堤を走って下って行った。
 O君はだれも持たない絹製の緑色の捕虫網を持っていた。O君が遠ざかるにつれて、自慢の緑の網がだんだん小さくなってゆく。「あまり、欲張るから罰が当たったんだ」、K君と私は声を上げて笑った。ライバルに敗れた私は留飲を下げた。
 本種の近縁種にアカホシゴマダラ Hestina assimilis shirakii Shirôzu,1955が奄美群島に分布する。後翅亜外縁に赤色斑列がある。

2013年5月6日撮影(佐賀市鍋島町蛎久)

1984年7月15日撮影(佐賀市鍋島町蛎久)


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