蝶の詳細

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クロシジミ    準絶滅危惧種
Gray-pointed Pierrot    シジミチョウ科

2003年8月3日(神埼市脊振村服巻) 佐賀昆虫同好会会員 坂井文雄氏撮影

【 学 名 】Niphanda fusca  (Bremer&Grey,1852)【 大きさ 】
【 時 期 】7月~8月(夏)【 発生数 】
【 生息地 】二次林
【 内 容 】 翅裏の地色は、明灰色で白に囲まれた小さい黒灰色の斑点が散らばり、それと、やや大きな濃灰色の斑紋がある。翅表は一様に黒色で外縁は白色である。雄の翅表は暗紫色に光るが、雌では一様に暗褐色である。また、雄の翅形は尖るが、雌では幅広く丸みが強い。
 本州、四国、九州に分布するが、何処にでも見られる蝶ではなく、局所的である。国外では、朝鮮半島、中国東北部、シベリアに分布する。成虫は年1回6 ~ 8月に現れる。
 蝶は幼虫の時代、植物を食べて育つが、クロシジミは独特な生活史を持つ。産卵場所は、アリマキ(アブラムシ)やキジラミが寄生している場所の、クヌギやコナラなどのブナ科植物が多い。孵化した幼虫は、アリマキやキジラミの分布する汁を、なめて成長する。
 3齢幼虫になると、アリマキやキジラミに寄って来るクロオオアリに、くわえられて地下の巣に運び込まれ、幼虫はアリに口移しで餌を貰いながら成長する。これは、同アリが、この蝶の幼虫が出す蜜を好むためである。翌年の6、7月頃蛹になり、巣の中で羽化する。すると急いで巣の外に這出し羽を伸ばす。遅れて羽化すると、同アリに食べられる事もあると云う。このように、越冬はアリの巣の中で幼虫で行う。
 本種は近年非常に減少し、環境省の絶滅危惧種に指定されている。私は、1992年7月22日、三瀬村で1頭に遭遇したが、撮影の機会はなかった。

蟻に咥えられるクロシジミの幼虫(イラスト)


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