クロヒカゲ Diana Treebrown タテハチョウ科 | |||
![]() 2011年9月25日撮影(撮影場所不明) | |||
【 学 名 】 | Lethe diana (Butler,1866) | 【 大きさ 】 | 中 |
【 時 期 】 | 5月~10月(春・夏・秋) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 平地から山地の樹林で暗い場所を好む | ||
【 内 容 】 | 夕暮れ時にものすごい速さで飛び回る、目立たない黒色の蝶に出会うことがある。これがクロヒカゲである。種名 dianaは、ローマ神話の純潔、月、狩猟の女神から名付けられたものだそうである。 色彩、斑紋は雌雄で大差はないが、よく見ると雌は翅の幅が広く、地色は雄より薄く、前翅にある斜めの白帯は、雄よりやや明確である。寒冷地のものは、小型のものが多い。 国外ではサハリン、朝鮮半島、中国、台湾に産し、国内では、本州、四国、九州に分布する。九州では平地、山地に普通に見られる。暖地では、第1化は4月下旬から5月上旬にかけて出現する。その後は、連続的に秋まで3、4回程度発生する。成虫は樹液に集まるが、訪花はしない。ものすごく速く飛ぶが、同じ場所に戻ってくる性質がある。幼虫はメダケ、マダケなどのタケ、ササの類を食べる。幼虫で越冬する。 本種に似た種類に、ヒカゲチョウ Lethe sicelis (Hewitson, 1862)とクロヒカゲモドキ Lethe marginalis (Moschulsky, 1860)がいる。クロヒガケの雌は、しばしばヒカゲチョウと混同される。ヒカゲチョウもクロヒカゲモドキも九州に産するが、その産地は局部的である。両種とも佐賀県からは知られていない。 | ||
![]() 佐賀昆虫同好会会員 廣川典範氏所蔵標本 (1984年5月9日撮影 福岡県久留米市吉見岳で採集) |