ヒメジャノメ Chinese Bushbrown タテハチョウ科 | |||
![]() 1983年9月18日撮影(佐賀市鍋島町蛎久) | |||
【 学 名 】 | Mycalesis gotama fulginia Fruhstorfer,1911 | 【 大きさ 】 | 中 |
【 時 期 】 | 5月~11月(春・夏・秋) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 明るい疎林 | ||
【 内 容 】 | 色彩・斑紋は雌雄で大差はないが、雌の羽の形がやや丸みを帯びており、羽の地色は雄よりわずかに淡い。季節的な著しい斑紋の変化はみられない。地域により、別亜種が存在する。国外では朝鮮半島、中国中・南部、トンキン、アンナン、ミャンマー、アッサムに分布する。 国内では北海道、本州、四国、九州(奄美大島を含む)に産する。奄美大島産のものは、別亜種とされている。本州中部以南の暖地では最普通種であるが、北海道や東北地方北部の寒冷地ではまれである。 九州では第1化は5月下旬で、第2化は7月である。以後、晩秋まで連続的に発生を繰り返す。幼虫はイネ、ススキなどのイネ科植物を食べ、幼虫で越冬する。ヒメジャノメは庭の隅、路傍、山林などいたる所にみられる。色彩・斑紋が地味で目立たないが、身近な蝶といえる。夏には街はずれのオフィスの窓辺で、この蝶がバタバタしている光景は珍しくない。 ヒメジャノメによく似た蝶に、コジャノメ Mycalesis francisca perddiccas Hewitson, 1862がいる。この蝶は本州、四国、九州に分布する。ヒメジャノメは明るい場所にもいるが、コジャノメは林間の陰湿な場所を好み、日の当たらない薄暗い林の葉の上に止まっていることが多い。幼虫はチヂミザサ、ススキなどを食べる。 コジャノメは最近、佐賀県から報告がない。近似種のリュウキュウヒメジャノメ M. madjicosa Butler, 1868は、奄美、沖縄に分布する。 |