蝶の詳細

詳細表示です。

ヒオドシチョウ    準絶滅危惧種
Large Tortoiseshell    タテハチョウ科

佐賀昆虫同好会会員 廣川典範氏所蔵標本(1984年5月27日 佐賀市鍋島町で採集)

【 学 名 】Nymphalis xanthomelas japonica (Stichel,1902)【 大きさ 】
【 時 期 】5月~6月(春・夏)【 発生数 】
【 生息地 】平地から山地の樹林
【 内 容 】 ヒオドシチョウとは、実に良い和名をつけたものだと感心する。翅の縁が黒く彩られ、黒点を散りぼめた橙赤色の翅表は、いにしえの緋繊の鎧を思い浮かばせる。翅の色彩・斑紋だけからでは、雌雄の判定はできない。腹端と前脚の構造を調べる必要がある。寒冷地のものは、一般に小型であるが、著明な地理的変異はみられない。
 国外では、朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤからヨーロッパの南東部にかけて分布する。国内では、北海道、本州、四国、九州本土に分布する。屋久島以南の南西諸島からは知られていない。年1回発生する。暖地では、5月下旬~ 6月上旬に羽化する。羽化後、間もなく休眠に入る。成虫は好んで樹液に集まる。幼虫は、エノキの葉を食べるが、ヤナギ類も食べる。成虫で越冬し、早春に出現する越冬個体は、破損したものが多い。
 ヒオドシチョウは、佐賀市内では少ない。私は年に1、2頭見る程度であった。いつか、グラスコート佐賀の垣根に、新鮮な個体が1頭来て止まったことを覚えている。私が高知市から熊本の国民学校(小学校)に転校した年の5月の終わりに、自宅近くのエノキに何百個というヒオドシチョウの蛹が付いており、それらが羽化しつつある状態に出会ったことがある。その後、このような光景には二度と遭遇したことはない。
 以前は,平野部に普通に見られたが,数年前に脊振山中に多くいたという報告を除いて,最近は非常に減少していて、見かけたことがない。

「佐賀の自然デジタル大百科事典」に掲載しているデータ(文章・写真等)の複製(印刷、ハードコピー等)、転載等は、学校教育に使用される場合等を除き、無許可での複製・転載を禁止します。詳しくは利用案内をご覧ください。