蝶の詳細

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メスグロヒョウモン    
Sagana Fritillary    タテハチョウ科

1979年7月25日撮影(岩手県盛岡市大志田)

【 学 名 】Damora sagana liane (Fruhstorfer,1907)【 大きさ 】
【 時 期 】10月~11月(秋)【 発生数 】
【 生息地 】平地から丘陵地の樹林
【 内 容 】 雌雄で、こんなにも色彩・斑紋が違う蝶は珍しい。知らなければ、全く別種の蝶としか思えない。雌の羽表は緑色を帯びた黒色とでも表現できる黒い色で、前羽には数個の白い紋があり、後羽には、中央に白い帯がある。一見、イチモンジチョウ類に見える。雄は、これこそ、まさにヒョウモンチョウ類の典型的な色彩・斑紋である。交尾している姿はみたことがないが、雄が雌を追っかけているのは目撃したことがある。すがすがしい夏の日に、岩手大学の演習林近くで、私の目の前を雌雄もつれながら飛んでいたのは印象的であった。北海道、本州、四国、九州に分布するが、一般に個体数は少ない。
 佐賀昆虫同好会員の溝上誠司氏によると、メスグロヒョウモンは、佐賀県には、かっては各地に普通にみられたが、現在では、島嶼をのぞけば、非常にまれであるという。同氏は、この蝶を佐賀県で著しく個体数が減少している種としている。
 メスグロヒョウモンは、国外では朝鮮半島、中国、ヒマラヤなどに分布し、ヨーロッパには産しない。年1回発生し、暖地では6月、寒地では7月に出現する。暖地では、酷暑の時期には夏眠に入り、秋になって活動する性質がある。九州では10月下旬から11月上旬まで、野外で飛んでいるのがみられる。草原には少なく、樹林や、その付近に見られる。幼虫の食草はスミレ類。幼虫で越冬する。
 少年の日、昆虫採集に行くと、時々、メスグロヒョウモンを見た記憶はあるが、掴まえたことはない。夏休みが終わって、標本展示会で他の生徒が採集した緑黒色の雌の標本をみて、非常に羨ましく思ったことを覚えている。
 2014年7月20日唐津市七山池原の樫原湿原で久しぶりに本蝶の雌一頭に出会い撮影できた。最近の貴重なチャンスであった。

前翅の長さ:約40mm 1979年8月2日撮影(岩手県盛岡郡玉山村)

2014年7月20日撮影(唐津市七山池原字樫原)


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