アサギマダラ Chestnut Tiger タテハチョウ科 | |||
![]() 1995年6月2日撮影(佐賀市三瀬村) | |||
【 学 名 】 | Parantica sita niphonica (Moore,1883) | 【 大きさ 】 | 大 |
【 時 期 】 | 5月~11月(春・夏・秋) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 山地から高山帯 | ||
【 内 容 】 | 山野を歩いて、ゆうゆうと飛ぶアサギマダラに一度出会ったら、その優美な姿が忘れられない。前翅表の地色は黒色で、青白色の紋がある。後翅表の地色は、明るい赤褐色で前翅同様の紋がある。雄には、表裏ともに後翅に暗褐色の性斑があるが、雌には、それがないので雌雄の識別は容易である。季節的変異や国内に於ける地理的変異は知られていない。 国外では朝鮮半島、台湾、中国南部から西北ヒマラヤにかけて分布する。わが国では北海道から九州に分布するが、北海道や本州北部の寒冷地ではまれである。年数回発生する。九州では5月頃から11月頃まで成虫が見られる。幼虫の食草はカモメヅルなどガガイモ科の植物である。幼虫で越冬する。 アサギマダラは、ゆっくり飛んでいるので手で捕まえられそうであるが、捕獲に失敗すると、突然、早変わりして空高く舞い上がり、飛び去ってしまう性質がある。1981年5月30日に、種子島で翅にマークして放された雄の個体が、同年7月16日に福島県白河市で捕獲された例や、その他の実験結果から長距離を移動することが実証されている。山道を歩くと、ものすごい数のアサギマダラに遭遇したことがあるが、この蝶は、通常、いつでも見れる蝶でもない。今でもアサギマダラに出会うと、その優美さに新たな感動を受ける。佐賀県から、近似種のタイワンアサギマダラ Parantica swinhoei (Moore, 1883)が迷蝶として1頭だけ報告されている。その後、報告は全 くない。 | ||
![]() 1992年7月16日採集(佐賀市三瀬村) |