クロセセリ Restricted Demon セセリチョウ科 | |||
![]() 1977年7月2日撮影(熊本県熊本市) | |||
【 学 名 】 | Notocrypta curvifascia (C.&R.Felder,1862) | 【 大きさ 】 | 小 |
【 時 期 】 | 5月~10月(春・夏・秋) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 平地から山地の樹林や湿地帯 | ||
【 内 容 】 | 羽の地色は黒色で、前羽には、大きな白斑と微小白斑がある。雌雄の色彩・斑紋はほとんど同様であるが、雌は羽型が丸味をおび、微小白斑が雄より、やや大きい。国内における地理的、季節的変異は知られていない。わが国には他に似たようなセセリチョウは産しないので、同定に誤ることはない。 クロセセリは東洋熱帯に分布し、西はインド、スリランカから東はジャワ、ボルネオに至り、日本は分布北限にあたる。わが国では屋久島以南の島々と九州本土全県下に棲息する。平地、低山地帯に多い。九州本土では5月上旬から6月に第1化が発生し、第2化は7月上旬から8月、第3化は8月下旬から9月に発生する。 渓流のほとりや樹陰などの陰湿地に多いが、庭の花にも来る。飛ぶのは速いが、飛んでいるときでも前羽の大きな白斑が目立ち、一見して本種だと分かる。幼虫の食草は、ハナミョウガ、ミョウガなどである。老齢幼虫は、これらの食草の葉の裏面を内側にして筒状に巻いて、その中に入っている。蛹で越冬する。 クロセセリは佐賀県下で、平地、山地に普通にみられるセセリチョウなので、普段は別に意識することなく見過ごしている。しかし、北国に住んで、いつも見慣れている南の国の蝶がいないとなると、やはり、少し寂しい気がする。 |