ウスバアゲハ Glacial Apollo アゲハチョウ科 | |||
![]() 1979年6月10日撮影(岩手県沢内村) | |||
【 学 名 】 | Parnassius citrinarius Motschulsky,1866 | 【 大きさ 】 | 中 |
【 時 期 】 | 4月~6月(春・夏) | 【 発生数 】 | |
【 生息地 】 | 丘陵地から高地帯の草地 | ||
【 内 容 】 | 一見、モンシロチョウの仲間のように見えるが、ウスバアゲハはアゲハチョウの仲間である。氷河時代の遺物といわれるパルナシウス属は、中央アジア高地を中心に、ユーラシア大陸、北アメリカ大陸に分布し、約37種があるという。この属の蝶は、ヘルマン・ヘッセの作品に出てくる、ヨーロッパの高貴な美しい蝶アポロウスバアゲハや、大雪山に生息する北海道の特産種キイロウスバアゲハなどを含む。 ウスバアゲハは北海道、本州、四国に分布し、九州には産しない。国外では中国大陸中部に分布する。年1回の発生。西南日本の低山地帯では、4月下旬から6月上旬にかけて羽化する。本州の高地帯では、6月中旬頃より出現する。幼虫の食草は、地域により異なるが、エゾエンゴサク、ムラサキケマンなどである。 高知の少年時代に、父が登山して、この蝶を採って帰ってくれた。 これが私とこの蝶の出会いである。しかし、四国では高山地帯でなければ、ウスバアゲハには遭遇できない。この蝶に憧れて何十年も経った。初めて野外で、この蝶に出会えたのは、岩手県に赴任した1973年の初夏であった。小刻みに翅を動かしながら、飛んでいるウスバアゲハに出会えた感激は、ここに書き表すことができない。 日本で、Parnassius属の蝶は、ヒメウスバアゲハ P.hoenei Schweizer,1912,キイロウスバアゲハ P.eversmanni daisetsuzanus Matsumura,1926の3種が分布している。 |