アベハゼ ハゼ科 | |||
![]() 1996.10.27 町田川(唐津市) | |||
学名 | Mugilogobius abei | 大きさ | 5cm |
地方名 | - | ||
生息域 | 河口・汽水域 | ||
内容 | 泥底の河口域の穴の中や石や貝殻の隙間などに見られる、体の前半分は横縞模様、後半分は縦帯模様という特徴的な模様のハゼである。丸いうちわ型の尾ビレにも特徴的な放射状の黒い筋が入る。ころころとした可愛い小型のハゼで、観賞用に飼育されることもある。 タンパク質などの窒素原子を含む有機物が体内で分解されると猛毒のアンモニアが生じる。ほ乳類であるヒトは生じたアンモニアを尿素に作り替えてから排出する。尿素は毒性が弱いため、少量の尿の中に濃縮して捨てることができるからである。つまり、節水型の排出システムを備えているのである。それに対して、魚などのほとんどの水生動物は生じたアンモニアを低濃度のまま排出する。それは、水の中で生活する動物は節水の必要ないからである。ところが、アベハゼは例外的にアンモニアを尿素に変える能力を持っている。水中のアンモニア濃度が高くなると、尿素回路(オルニチン回路)が活発に働き、アンモニアが尿素に作り替えられる。 このためアベハゼは水質の悪化に強く、生活廃水などによって他の魚類が生息できないほど汚濁した環境でも生きていくことができる。本種を探すのであれば、干潮時に河口付近の多少腐敗臭がするような干潟の潮だまりの中のゴミの下などを探す方がはやい。 塩分濃度の変化への耐性は強く、淡水でも容易に飼うことができる。 |