淡水魚詳細

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アマゴ    サケ科    国内移入種(準絶滅危惧)

1994.8.13 天川(唐津市厳木町)

学名Oncorhynchus masou ishikawae  大きさ25cm(降海型は50cm)
地方名えのは、やまめ
生息域上流域
内容 中国地方の山間を旅行すると「ひらめあります」と書いた看板を目にすることがある。かつては、日本海沿岸で捕れるサメを「わに」と呼んで食していた地域であり、運搬技術の進んだ現在では新鮮な海産魚も手に入るようになってはいるが、わざわざ宣伝するのもおかしな話である。実はこの地域で言う「ひらめ」とは、イワナの仲間であるゴギに対して体幅の薄いヤマメやアマゴを示す地方名なのである。
 アマゴはヤマメと大変よく似た魚である。ヤマメそのものの魚体に「ほくろ」のような朱点が見られることで容易に区別できる。しかし、通常あまり区別をされないようで、「ヤマメの塩焼き」を注文すると塩焼きされたアマゴが出される程度のことは珍しいことではない。
 アマゴは本来、関東以西の太平洋側および瀬戸内海に流入する河川(九州では大分)にのみ分布する日本固有亜種である。面白いことに、水温の関係で生息できない南九州を除くそれ以外の地域にはヤマメが生息する。当然、佐賀県はヤマメの分布域に当たる。
 両種の間に見られる分布上の「住みわけ」は、日本列島の成立の過程を示唆する重要な証拠として注目されてきた。しかし、現在では本来の分布域を無視した放流により、ヤマメとアマゴの分布域は撹乱されつつある。また、そのような地域では「あいの子」が生じている。
 なお、ヤマメに降海型のサクラマスがいるように、アマゴにもサツキマスという降海型が存在する。長良川河口大堰問題のシンボルになった魚である。賛否両論あると思うが、堰の稼動により、日本固有亜種のひとつが本来の生活を営める河川が、地球から消滅したことは間違いない。
 このように海に下った本種がサツキマスとなって戻って来られる河川は全国的に珍しくなっており、降海型のサツキマスについては、環境省の第4 次レッドリストにおいても準絶滅危惧に指定されている。

1994.8.13 (同上)


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