アユ アユ科 | |||
![]() 1994.7.3 嘉瀬川(佐賀市大和町) | |||
学名 | Plecoglossus altivelis altivelis | 大きさ | 30cm |
地方名 | あいご、あいのいお、あゆ | ||
生息域 | 中~下流域 | ||
内容 | 清流の女王などと呼ばれる美しい魚体の魚である。河口近くでふ化したアユの仔魚はすぐに海に入り、春に7cmほどに成長して河川に遡上し、河川の中流で石に体あたりして表面に付着するケイ藻やラン藻を独特な口で「けずる」様にして食べる。そのため、アユのいる川の石には独特の形のはみ痕が見られる。また、上流側の工事などで石が泥を被ると付着藻類が死滅し、アユも大きな影響を受ける。秋には体色が黒ずみ「錆(さび)アユ」になって河口付近に移動し、産卵を終えると死亡する。 誕生から死亡するまで1年間の短い一生である。そのため古くは「年魚」の字が当てられている。また、独特な香りを持つことから「香魚」、うろこが小さいことから「細鱗魚」とも表記されることもある。 現在用いられている「鮎」という字は中国ではナマズを意味する。実は、「鮎」は国字なのである。日本書紀、肥前風土記などにあるように神功皇后が松浦地方に立ち寄られた際(おそらく玉島川で)女官の衣から引き抜いた糸に飯粒を付けて魚が釣れるか否かで、戦の勝ち負けを占ったところ、アユが釣れたという故事にちなんだものである。なお、この珍事から、珍しい地=めつらの国=松浦の地名ができたともいう。 現在では、当の「鮎」の字の発祥の地である玉島川では、上流部の開発により流下した土砂が淵や石を埋めアユが減少し、放流が行われている。当地の人は在来の玉島川のアユは放流ものより、はるかに美しいと自慢されている。 | ||
![]() 婚姻色のあらわれた産卵期のアユ(錆アユ) 1991.10.27 嘉瀬川(佐賀市久保田町) | |||
![]() 遡上期のアユ(シラスアユ) 1993.3.20 半田川(唐津市) 熊本常夫氏捕獲 |