カマツカ コイ科 | |||
![]() 1993.8.1 六角川(武雄市) | |||
学名 | Pseudogobio esocinus esocinus | 大きさ | 20cm |
地方名 | かまつか、かもつか、ぎょうとく、じょうとく、すなせせり、すなもぐり、どうきょう、どうきゅう | ||
生息域 | 中~下流域 | ||
内容 | カマツカは砂のある川にはどこにでも生息する。憶病な魚で、驚くとすぐに砂の中にもぐってしまう。体色も砂地模様でなかなか見つけにくい。当人も「砂化けの術」にはよほど自信があるらしく、体が半分くらい露出していても平気でじっとしている。 馬面でヒゲがあり、唇には多数の乳頭状の小突起が密生し絨毯のようになっている。河川中流域の砂底の瀬でスマートな底生魚といえば、カマツカと考えてまず間違いない。流水性の魚で、酸欠には弱い方であるが、沈降性の餌さえあれば飼育自体は難しくはない。ただし、観賞が目的ならば水槽の底には砂ではなく5㎜程度の小石を敷いておくことを奨める。さもないと、人が近づくと姿を隠し、そのたびに植えたばかりの水草が浮き上がってしまうことになる。 カマツカの食事風景はおもしろい。口を突出させて砂を吸い込み、その中の有機物や小動物だけを飲み込み、えら穴から小さな滝のように砂を出す。忙しく口を動かしながら少しずつ前進していく様子はさながら、ブルドーザーのようでもあるし、掃除機のようでもある。実際、カマツカのいる水槽はいつまでたっても砂が汚れない。 産卵も砂地でおこなわれる。つまり、この魚にとって、砂は「ゆりかご」であり、「食卓」であり、かつ「家」でもあるのである。 生活のすべてのステージを全面的に砂に依存するカマツカの生活様式が、他の多くの魚が森林の荒廃や河川改修が生活の場の喪失に直結したのに対し、あまり影響を受けなかった要因であろう。 | ||
![]() 吻を突き出させてエサを砂もろとも吸い込む1993.8.1(同上) | |||
![]() 驚くと砂に潜る1993.8.1(同上)目と背びれに注目 |