淡水魚詳細

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カワヒガイ    コイ科    準絶滅危惧

産卵管をもつ雌の成魚 1992.7.19 松浦川(武雄市)

学名Sarcocheilichthys variegatus variegatus  大きさ13cm
地方名あぶらばや、あぶらめ
生息域中~下流域
内容 生物の名前は普通、漢字ではなく片仮名で表記する。当て字や、同じ漢字でも本家の中国と日本では全く別な物を指すことがあり、無用な混乱を避けるためである。
 ところで、「鰉」と書いてヒガイと読む。この漢字はかなり新しい和製漢字(国字)である。これは、明治天皇がこの魚を大変好まれたことから作られたという。
 ヒガイは琵琶湖の漁師の間では3つの型に分けられていたが、長い間単一種として扱われていた。1982年になって、油色の婚姻色を呈するアブラヒガイ、体側の斑紋が不明瞭で20cmに達するビワヒガイとカワヒガイの3種に分けられた。
 県内ではカワヒガイのみが生息するが、松浦川と多布施川に比較的多く、それ以外では嘉瀬川、中地江川、安良川、轟木川で少数捕獲しているに過ぎない。
 口はゼゼラに似て意外なほど小さい。各ヒレは美しいオレンジ色を帯びており、背ビレには特徴的な黒色斑が見られる。体側の黒色縦条の他に不規則な雲状斑があるが、幼魚期には雲状斑が未発達で、ムギツクに似る。
 産卵期は5月から7月で、雄は頭部を中心に紫色の婚姻色を呈する。雌はヒレの橙色を増し、1cmほどの産卵管を伸ばす。産卵はタナゴ類と同様に淡水産二枚貝に行われる。タナゴが貝に悟られぬように感覚の鈍い出水管から挿入するのに対し本種は堂々と入水管から挿入して産卵する。2㎜ほどの卵は、膨潤して5㎜ほどに肥大し、容易には排出されない。ふ化した仔魚はすぐに貝から泳ぎ出す。

婚姻色の現れた雄、うしろは産卵管をもつ雌の成魚 1992.7.19 (同上)


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