淡水魚詳細

詳細表示です。

ズナガニゴイ    コイ科    国内移入種

2013.9.19 玉島川(唐津市浜玉町) 唐津土木事務所提供

学名Hemibarbus longirostris  大きさ20cm
地方名
生息域中流域
内容 県内の淡水魚を紹介するために佐賀新聞に連載を始めたのが1993年、そしてそれらをまとめて図書「佐賀県の淡水魚」を世に出したのが1995年のことだった。その後、自然環境への関心の高まりから河川法が1997年に、農地法が2009年に改正され、河川では治水上必要のないコンクリート護岸をはがして自然護岸に戻したり、失われる一方だった淵を再生したり、水田に遡上して産卵する魚のために水田魚道が作られるような時代になってきた。
 こうした時代の変化のためか、県や国の機関からの相談もずいぶん多くなった。こうした相談には魚類の生息状況調査を伴うことが多く、その調査結果には「ほう」とつぶやきたくなる魚の確認報告が含まれていることがある。
 かつて、広島の川で時折見かけたズナガニゴイと久しぶりに再会したのも、そんな報告書の中であった。別名を「ウキガモ」ともいい、これは「浮く」「カマツカ」の意味である。どちらも驚くとカマツカのように砂に潜るところは同じであるが、底生魚であるカマツカが砂の上にドテッと着底しているのに対し、本種は遊泳魚のように水底近くの中層を数匹の群れで泳いでいる。また、水中ではカマツカと間違えることはないが、川岸にうち捨てられて干からびかけた本種は、カマツカと紛らわしい。どちらも口にはそこそこ立派なヒゲを持つが、カマツカの口は大きく突出させることができ、その唇には乳頭状の突起がタワシのように密生していることなどで区別するとよい。
 逆に、ニゴイには似ていないと思う方もおられるかもしれないが、体色の薄くなった本種と体側に暗色斑紋が残る小型のニゴイとはやや紛らわしい。この場合、体側の小さな黒点のほかに背びれと尾びれなどにも小さな黒点があることで区別するとよい。
 ズナガニゴイの国内の分布域は琵琶湖を含む近畿地方以西の本州であり、九州には分布しない魚である。玉島川へは放流用に取り寄せた魚に混入して運ばれてきたのであろうが、琵琶湖のコアユの持ち込みは今から40年ほど前までのことであり、玉島川で発見された本種がどのようにして持ち込まれたのか大変気になるところである。

「佐賀の自然デジタル大百科事典」に掲載しているデータ(文章・写真等)の複製(印刷、ハードコピー等)、転載等は、学校教育に使用される場合等を除き、無許可での複製・転載を禁止します。詳しくは利用案内をご覧ください。