淡水魚詳細

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ゼゼラ    コイ科    絶滅危惧Ⅱ類

1992.11 徳須恵川(唐津市北波多村)

学名Biwia zezera  大きさ7cm
地方名
生息域中流域、細流、クリーク
内容 カマツカやツチフキに似るがヒゲを持たない。しかし、大きさも異なる上体形ははるかにスマートで、カマツカやツチフキと間違えることはまず考えられない。体色を除けば、むしろカワヒガイを小さくしたような形である。体が小さい上に口はさらに小さく、釣り針には絶対にかからない。また、投網でも網目を抜けてしまうほどの大きさなので、この魚を直に見たことのある人は少ないのではないだろうか。
 これまでの河川調査でも田手川、徳須恵川の中流の流れの遅い淀みで、それぞれ1尾ずつ捕獲したに過ぎないのだが、佐賀城のお堀には多く生息する。
 婚姻色はモツゴと見間違うほど見事な紫色を帯びた漆黒の網タイツ状で腹ビレと尻ビレが水色がかった白色を帯びる。産卵期には水面上から観察すると白色のヒレが目立つ雄が、ひらひらと底生魚とは思えないほど活発に泳ぎまわり、侵入者を追い払う様子が観察できる。卵は、粘着力が強く岸辺の植物の根に塊状で産着される。卵は淡黄色で、0.8㎜ほどであるが、産卵後吸水して2.5㎜ほどに膨らむ。雄は、卵塊に近づく他の魚を追い払っているのだろうが、肝心の卵塊は周囲に転がっていることが多い。口は小さいのだがその攻撃は執拗で、同じ水槽に入れておくと、結局1番優勢な1尾だけになってしまう。
 日本固有種で、和名は琵琶湖の膳所地方に由来する。当地では佃煮などに利用するが頭が取れやすく商品価値がない。このことと、同じ膳所藩出身の幕末の大老、井伊直弼(桜田門外の変で首を取られた)と掛けた「いいさん」という地方名が当地にある。
 なお、本種は2000 年頃からは鳥栖市~小城市にかけての佐賀平野ではかなり普通にみられる魚になっている。

婚姻色 1994.5.1 多布施川水系佐賀城跡南堀(佐賀市)


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