淡水魚詳細

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ニホンウナギ    ウナギ科    絶滅危惧ⅠB類

1991.10.27 嘉瀬川(佐賀市久保田町)

学名Anguilla japonica  大きさ100cm
地方名おなぎ、びりんそー、びろっそ、よしのこうなぎ、あお、くろ、ごま、がねくい、かにくい、ぎんうなぎ、くちぼそ、しけうなぎ、そうめんご(しらす)
生息域上流~河口・汽水域、ため池・クリーク
内容 ウナギは12世紀頃までは「むなき」と呼ばれていたらしい。「むなき」には「棟木」「胸黄」「胸開き」など諸説ある。
 ウナギを知らぬ人はいないが、その産卵生態は最近まで不明であった。体内卵が見つからないため寄生線虫が子供と間違えられて胎生と信じられたこともある。古くは、アリストテレスが「地底からミミズがわきウナギとなる」と書いているし、日本にも「山芋変じてウナギとなる」という言葉がある。
 現在ではマリアナ諸島付近の中層で産卵し海流に乗ってアジア各地に分散すると考えられている。仔魚は柳葉状でレプトセファルス幼生と呼ばれ、近海で変態してウナギ型のシラスになり河川に遡上する。うろこが完成してクロコと呼ばれる頃には著しく遡上力を増し、普段は河川と連絡のないようなため池にまで入り込む。
 昔から利用度の高い魚で、県内でも多くの地方名を持つ。玄海側では「あお」、「くろ」、「ごま」の3つのうちで、「あお」を最良とし、「ごま」は最下級とし養殖の対象としない。
 これに対し、有明海側では有明海のカキ礁に見られる「しけうなぎ」を最良、その次に筑後川に多い「あお」を良とし、「がねくい(くろ)」を最下級とする。かつて養殖が行われない頃、東京築地市場では有明海沿岸産のウナギは他の産地の約2倍で取引されていたという。
ニホンウナギの産卵場については2005年6月に東京大学の塚本教授らの孵化直後のプレレプトセファルスの大量捕獲によりマリアナ海嶺のスルガ海山であることがわかった。
 近年、ニホンウナギのシラスの河川への遡上は激減しており、とうとう環境省の第4次レッドリストにおいて絶滅危惧ⅠB類とされるまでになった。現在、国内で販売されるウナギの蒲焼きにはニホンウナギのほか、ヨーロッパウナギ(アンギラ種)、ニューギニアウナギ(ビカーラ種)、アメリカウナギ(ロストラータ種)等がある。ちょっとややこしい話になるが産地表示には「国産のアメリカウナギ」や「中国産のニホンウナギ」等というものが存在することになる。いずれにせよ、これらのウナギ類の中にはニホンウナギ以上に絶滅が心配されているものもあるので、早期の完全養殖が望まれるところである。

ウナギのシラス 1995.3.28 塩田川(嬉野市塩田町)


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