淡水魚詳細

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ボラ    ボラ科    

1991.11.2 町田川(唐津市)

学名Mugil cephalus cephalus  大きさ60cm
地方名いな、ぼら、くろめご、くろめ、だんぎい、ちゅうぼら、ううぼら
生息域中~下流域、河口・汽水域
内容 松浦川河口の松浦大堰の魚道にはおびただしい数の40cmほどの魚が集まってくる。黒いものもあれば白黒のものもいる。近くの子供に聞くとコイだという。しかし、どうもコイには見えないので捕獲したところ、ボラであった。白く見えたのはうろこに付いた寄生虫であった。
 ボラは成長にともなってハク→オボコ→イナ→ボラ→トドと名前が変わる「出世魚」である。うぶな女の子を示す「オボコ娘」、江戸の魚河岸の粋な若者が、結った「鰡背銀杏」からは「イナセな」、行き着くところまで行ったの意味の「トドのつまり」など、ボラから出た言葉は多い。
 有明海側の地方名も成長に合わせて、「くろめご」→「くろめ」→「だんぎい」→「ぼら」→「ちゅうぼら」→「ううぼら」と、やはり「出世」する。
 ボラの卵巣の塩蔵品は、中国の墨に似ているためカラスミと呼ばれ、庶民の口にはなかなか入らない高級珍味である。ボラは日本全国に分布するのに、長崎がカラスミで有名なのは、産卵のため東シナ海に回遊の途中、長崎沖に達したころの卵巣の成熟具合が丁度良いためである。当地には「トンビがタカを産む」と同意の「カラスミ親子」という言葉がある。
 西アフリカを除く世界の暖海に広く分布するいわばコスモポリタンで、日本各地の沿岸にも普通に見られる。下流域で渦を巻くように群れているのはボラの子供であることが多い。成長するにしたがって、前後から脂瞼(しけん)と呼ばれる透明な膜が眼を被うように発達してくる。また、胸ビレの基部がほんのりと青みを帯びるのもボラの特徴である。

稚魚 1995.3.28 塩田川(嬉野市塩田町)


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