カワヤツメ ヤツメウナギ科 絶滅危惧Ⅱ類 | |||
![]() 1993.3.8 半田川(唐津市) 熊本常夫氏捕獲 | |||
学名 | Lethenteron camtschaticum | 大きさ | 50cm |
地方名 | やつめうなぎ | ||
生息域 | 中~下流域、玄界灘側にまれに見られる | ||
内容 | 魚類という言葉は、いわゆる普通の魚である硬骨魚類とサメやエイなどの軟骨魚類の両方を示すことが多い。しかし、このほかにも軟体動物であるタコやイカをはじめ、昆虫と同じ節足動物であるエビやカニなども魚扱いされることも少なくない。国外でも同様で、クラゲの英名はジェリーフィッシュ、イカはカトルフィッシュといった具合である。 ところで、円口類に分類されるヤツメウナギもウナギどころか魚ですらない。あえて言えばカエルやサンショウウオを魚と呼ぶのに近い。しかし、軟骨とはいえ脊椎骨をもつ遊泳生物なので、魚として扱うことが普通である。 1993年3月上旬、唐津市の半田川で47cmのカワヤツメが1個体捕獲された。写真の個体はこの時のものである。カワヤツメは本来、日本海側では島根以北に、太平洋側では茨城県以北に分布するとされており、県内の河川に遡上して来ることはまれである。 ヤツメウナギ類の幼生は、眼が未完成で7対のえら穴もまだ溝状につながっており、アンモシーテスと呼ばれる。ふ化後、1年ほどは河川中下流の軟泥底に潜って生活し、変態(眼やえら穴が完成)して降海する。海では吸盤のような口と鋭い歯で、大型の魚に食いつき、吸血生活をする。2~3年の海中生活の後、夏場に河川に遡上するが餌をとらず、春先に産卵して死亡する。 遡上期のものはかなり美味で、新鮮なものは蒲焼きにする。多量のビタミンAを含み、「とり目(夜盲症)」の薬として知られている。 | ||
![]() 口器 1993.3.8 (同上) |