グッピー カダヤシ科 移入種(要注意外来生物) | |||
![]() 婚姻色のあらわれた雄 1992.9.12 六角川水系のクリーク(武雄市) | |||
学名 | Poecilia reticulata | 大きさ | 5cm |
地方名 | ぐっぴー | ||
生息域 | 下流域、汽水域、クリーク・ため池 | ||
内容 | グッピーといえば熱帯魚(観賞魚)の代表のような魚である。未成魚や雌はカダヤシに似るが、雄の婚姻色は大変派手で美しい。品種改良によって様々な美しい品種がつくられている。色彩も様々であるが、特に尾ビレの変異は同一種とは思えないほどの多くの変異がある。 野外で分布調査を行う場合、種の同定の困難な稚魚を持ち帰って成長後に調べることがある。1992年に武雄市のクリークで行った調査では、持ち帰った稚魚の中にダブルソードと呼ばれるタイプの尾ビレを持つ雄が紛れ込んでいた。 このグッピーの親がカダヤシと同様にボウフラ退治のため持ち込まれたものか、熱帯魚愛好家の水槽から逃げ出した(または捨てられた)のかは不明であるが、最近の流行はデルタテールと呼ばれるタイプが主流なので、かなり以前から自然繁殖している可能性が高い。佐賀市近郊のクリークでも見かけたという話も時折耳に入る。 カダヤシより競争力は弱く低温にも弱いが、水質の悪化には強く、本州でも温排水の流れ込む水域には定着することが知られている。温暖な沖縄では、在来のメダカは北米原産のカダヤシに駆逐され、カダヤシもその後の水質の悪化によって、南米原産のグッピーに置き換わりつつある。 「蚊絶やし」のためのカダヤシがメダカを絶やし、生活排水がそのカダヤシを絶やし、住人のいなくなった水域にグッピーが増加しているわけである。 近年、佐賀市を中心に下水道の普及に歩調を合わせるように外来2種とは無関係に、蚊が減少したことは実に皮肉なことである。 |