淡水魚詳細

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ギンブナ    コイ科    

1994.5 多布施川(佐賀市)

学名Carassius  sp. 大きさ25cm
地方名ぎんぶな、ふな、ほんぶな、まぶな
生息域中流~河口・汽水域、ため池・クリーク
内容 フナは急流以外なら、どこにでも見られる普通の魚である。裏を返せば、環境に非常によく適応するいうことでもあり、事実大きな形態的変異が見られる。例えば、ため池のフナは体高も高くゲンゴロウブナも顔負けであったりする。その上、分類も混乱しており意外に面倒な魚である。
 金魚を含めて、他のフナ類の染色体数は100本(2倍体)であるが、ギンブナだけは、150本(3倍体)である。3倍体は種なしスイカの例のように、子孫を残すことができないはずなのだが、どっこい3倍体のギンブナは立派に繁栄している。
 実は、ギンブナは雌性発生という特殊な発生を行う。精子は発生のきっかけを与えるだけで、受精の直後に精核は卵から放出され、父親の形質は遺伝せず、子供は母親とまったく同一な遺伝子を持つクローンとなる。そのため、発生の開始にはドジョウの精子さえも有効であり、その場合もあいの子を生じるようなことはない。実際、関東地方のギンブナは雌ばかりだという。
 フナ類は、日本産魚類のなかで分類するのが最も困難なグループとされる。国内のフナ類の分類は混乱してきたが、今のところ最も有力と思われるのは次のような分け方である。つまり、琵琶湖・淀川水系の固有種であるゲンゴロウブナは独立の種であるとして、それ以外のフナ類(ギンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ、キンブナ、オオキンブナ)は同一種の別亜種であるとし、このうち3倍体で雌性発生をするものをギンブナとする考え方である。2倍体のフナと3倍体のフナは鰓把数や赤血球の大きさ(2倍体は15μm以下、3倍体は16μm以上)等でも区別できる。九州にはゲンゴロウブナの他にはギンブナとオオキンブナが分布するとされていたが、これまで九州のオオキンブナは各部の数値がギンブナと重複が大きいとされており、特に区別が困難な原因になっていた。私自身もギンブナとオオキンブナについてはずいぶんと混乱しており、背びれ条数17本の個体をとりあえずギンブナとして扱うこととし、「県内で調べた十数匹の中には、雄は少なからずいたのだが、不思議なことにすべて15cm以下であり、雌は18cm以上のものばかりであった。」と書いているが、この記述はオオキンブナについてのものになる。ただし、この考え方にも異論もあり、今後再び変更される可能性がある。

ギンブナの顔 1994.5 (同上)

金魚とフナ類の「あいの子」は、テツギョ(鉄魚)と呼ばれる。 1995.10 多布施川水系の水路(佐賀市) 濱野大作氏捕獲


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