ヒモハゼ ハゼ科 準絶滅危惧種 | |||
![]() 1998.2 四万十川(高知県) | |||
学名 | Eutaeniichthys gilli | 大きさ | 5cm |
地方名 | - | ||
生息域 | 河口・汽水域 | ||
内容 | 本種と初めて出会ったのは高知県の四万十川の河口近くの目の細かい砂干潟であった。河川調査でカゲロウやカワゲラの幼虫などの幼虫の捕獲にでも使いそうな網戸を改造してつくったような採集用具で、岸辺の砂を振るって出てきた太さ3mmほどの白黒のひものような生き物がまさにそれであった。 一応、ハゼの仲間だけあって2枚の背びれと左右の腹ビレが癒合した吸盤状のヒレを持つ。しかし、第1背びれは非常に小さく目立たない。小さくてわかりにくいが、上唇より鼻先の方が前方に丸く張り出しているため、顔立ちはボウズハゼを思わせる。 国内では青森以南の全国の河口や内湾の砂泥底に広く分布する。なお、琉球列島の個体群は、これまで九州以北のものと同種とされたが、体側の濃色の縦帯が途切れること、第1背びれと第2背びれの間が狭いことや遺伝子の違いなどから、近年では別種と考えられるようになった。 本種は、本州から九州にかけて広く分布するにもかかわらず、その存在があまり知られていないのは、川というよりはほとんど海に近いところにすむこと、およびその小ささと驚くと砂の中に潜ってしまうことなどから、その存在に気付かれないことが多いようだ。本種は、テッポウエビ等の甲殻類の生息孔内に隠れているとされるが、近くにあれば利用することもあるといった程度で、テッポウエビとカクレウオのような共生関係はないようだ。 | ||
![]() 1998.2 四万十川(高知県) |