淡水魚詳細

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ヤリタナゴ    コイ科    準絶滅危惧

婚姻色 1993.4.3 多布施川(佐賀市)

学名Tanakia lanceolata  大きさ10cm
地方名たばや、でんばや、べんばや、べにばや、あかぶち、せきたんつー
生息域中~下流域
内容 和名は「槍」のような「たなご」の意味である。かつて、唐津に勤務していた頃、生徒に名前を聞かれてそう教えたところ、川にもタナゴがいるのかと驚かれたことがある。海に棲む方はウミタナゴといい、コイ科のタナゴ類とは「あかの他魚」である。
 しかし、その繁殖法はいずれも変わっている。ウミタナゴの方は胎生(卵を体内でふ化させ稚魚を出産する)の魚として有名である。これに対しコイ科のタナゴ類はイシガイ科の淡水産二枚貝の中に卵を産みつける。
 ヤリタナゴの雄の婚姻色は背側が緑青色を帯び、胸ビレ付近の腹側は淡い桃色で美しい。また、背ビレと尾ビレの縁には赤色の帯が見られるが、特に尻ビレは鮮やかである。産卵期は春から夏にかけてでありそれ、以外の季節では婚姻色は消失している。しかし、水槽内では水草を多く入れたり十分な隠れ家を与えることでリラックスさせておくとほぼ1年中雄の婚姻色を保つことができる。これに対して、雌の体色は肩に不明瞭な暗色斑が見られるが基本的に銀一色で、短い産卵管がある以外、これといった特徴はない。
 タナゴの仲間では比較的流れの速い水域を好み、県内河川の中下流域に広く分布する。体高が低く眼径ほどもある長い1対のヒゲを持つことの他に、背ビレの条ではなく膜の方に紡錘型の黒色斑が1つずつあり、全体として1列に並んでいることが特徴である。これらの形態的特徴は同属のアブラボテにもあてはまるが、色彩が大きく異なるため、背ビレの膜を見ることがヤリタナゴの最も確実な識別法である。

婚姻色が現れはじめた雄 1993.4.3 (同上)


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