淡水魚詳細

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セボシタビラ    コイ科    絶滅危惧ⅠA類

婚姻色 1993.12 大牟田市

学名Acheilognathus tabira nakamurae  大きさ8cm
地方名たばや、でんばや、べんばや、べにばや
生息域中流域、小水路
内容 タナゴという名前は、その側扁した体形から「タイの子」が訛ったものといわれている。これに対してセボシタビラのタビラとはタナゴの古名で、手のひらのような平たい魚という意味らしい。
 タビラの仲間は東日本のアカヒレタビラ、西日本のシロヒレタビラ、北部九州のセボシタビラの3亜種に分けられている。本州産の2亜種は雄の尻ビレの縁がそれぞれ赤や白の婚姻色を呈することから、セボシタビラは未成魚の背ビレに見られる黒色斑(背星)からつけられた名である。
 ほとんどのタナゴの仲間は稚魚期に、背ビレの前端に黒色斑が見られるが、セボシタビラの黒色斑は少し後退した位置(第4軟条~第6軟条)にあり、婚姻色を発現する直前まで見られる。
 ヒゲはヤリタナゴとカネヒラの中間で眼径の1/2程度。体形はヤリタナゴに似ており、婚姻色以外では背ビレの黒色点列がカネヒラの様にヒレの筋(軟条)にあること、尾部に短い青色の筋(縦条)がほんのりと見られることで区別できる。やや流れのある砂礫底を好み、産卵期は2月下旬から8月上旬までの長期におよぶ。
 県内には7種のタナゴの仲間が存在するが、このセボシタビラについては、田手川で1個体を捕獲したに過ぎない。しかし、筑後川をはさんだ福岡県柳川市付近には多いという。また、長崎県壱岐にも記録がある。
 なお、唐津市在住の荒巻裕氏によると、大分県玖珠盆地で発見されていたヤリタナゴと思われていた化石は、骨の形態よりタビラ類の化石と判断できるという。
 県内での確認は田手川で1個体確認した以降は、2005年に鳥栖市内の沼川、安良川、轟木川からの報告があるが、いずれも最下流の堰の下の筑後川や宝満川との連絡のよいところである。

婚姻色が現れはじめた雄 1993.12 (同上) 背ビレの基部側に黒色の「ホシ」の痕跡が残っている


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