コクレン コイ科 移入種 | |||
![]() 有明海のウケハゼで捕獲されたコクレン (1982.7.29付佐賀新聞掲載) | |||
学名 | Aristichthys nobilis | 大きさ | 160cm |
地方名 | れんぎょ | ||
生息域 | 下流域、クリーク、湖沼 | ||
内容 | 家で飼って、直接生活に役立てる動物を「家畜」という。ニワトリの場合には「家禽」という言葉がある。中国の農村では食用目的で淡水生の大型魚が飼育されており、これらは「家魚」と呼ばれる。 さして大きくもない池に、上層で植物プランクトンを食うハクレン、中層で動物プランクトンを食うコクレン、水底の貝を食うアオウオ、そして岸寄りで草を食うソウギョの四大家魚を、池の状況を考慮しながらコイ、フナ等とも組み合わせて混合養殖している。1000年以上前の唐の時代からの伝統ということである。 コクレンの幼魚の体色は金色であるが、成長するに従って和名が示すように黒味が強くなる。まだ、体側やヒレには不規則な暗色斑が現れる。産卵期の雄の頭部に追い星を生じるが、婚姻色は不明瞭である。体形は側扁が強く、腹ビレの付け根から肛門にかけての腹中線が、サッパやコノシロの腹部のように竜骨状に隆起する。 しかし、何よりの特徴は腹側に異様にずれた眼で、一度見たら忘れられない強烈な印象を与える。その神様の気まぐれとしか思えないような顔つきは生まれながらのものではなく、5cmほどの幼魚の眼は体の中央にあるらしい。 県内では、1982年に有明海の堤防から1㎞内に設置されたウケハゼ(漁法)で、110cm(11.5kg)の個体が捕獲されている。おそらくソウギョなどに混じって放流されたものであろう。しかし、ソウギョなどと同じ理由で、定着はしていないものと思われる。 |