淡水魚詳細

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ウグイ    コイ科    

1994.10 多布施川(佐賀市) 古川国夫氏捕獲

学名Tribolodon hakonensis  大きさ30cm
地方名いだ、ゆだ、うぐい
生息域上流~河口・汽水域
内容 世界中でコイ科の魚は約300属に分けられると言われるが、このウグイ属の仲間だけが降海するものを含む。
 低水温にも強く、ダムさえなければヤマメの住むような上流域にも見られる。また、青森県の恐山湖にはpH3という強アルカリ性にもかかわらず、ウグイだけは生息するという。
 典型的な雑食性の魚で、水生昆虫や付着藻類から大型動物の死骸も食べる。河川の淵や物陰に定位して流下する餌を待つこともあるが、持ち前の遊泳力で積極的に餌を求めることもある。嘉瀬川の熊ノ川付近では、夕方に30cmほどのウグイが羽虫をジャンプして捕食する姿が見られる。
 ウグイの産卵は春で「すり」と呼ばれる。雌雄ともに3筋の朱赤色の縦条と黒色帯の織りなす美しい婚姻色をあらわす。大雨の後の増水がおさまりかけると、砂利が堆積したばかりの瀬尻の斜面などに大挙して突入して行われる。産卵放精の瞬間にはどさくさに紛れて卵を食べてしまうものもいるのでこのような崩れやすい、つまり卵が埋もれやすい所が産卵場として選ばれるのだろう。松浦川では、産卵のため溯上してきた群を捕獲する漁業があり、大変美味とのことである。
 うろこのはがれやすい魚で、普段は捕獲してもそれがもとで死亡することが多い魚だが、婚姻色が現れる頃には全身に微小な追い星を生じ、サンドペーパーで武装したようになり、うろこもはがれにくくなる。
 夏のウグイは「ねこまたぎ」ともいわれる。つまり、あまりのまずさに猫も見向きもしないで、またいで素通りするという。しかし、冬から春の産卵期にかけてのものはかなりの美味で、塩焼き、南蛮漬けや味噌田楽などにする。

雌の婚姻色(同下)

雄の婚姻色 1995.4.25 松浦川(伊万里市)


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