メナダ ボラ科 | |||
![]() 1991.9.6 田手川(神埼市千代田町) | |||
学名 | Chelon haematocheilus | 大きさ | 100cm |
地方名 | えびなご、えびな、えぶな、あかめ、わかやすみ、やすみ、ふるやすみ、なよし、なよせ、まいお、しゅくち、しくち | ||
生息域 | 下流域、河口・汽水域 | ||
内容 | 魚に限らず、昆虫にしろ植物にしろ、素人には見分けが難しい仲間がある。それらを見分けられる様になるためには、まず実物をよく見ることである。 メナダとボラも意外と区別のできない人の多い魚である。しかし、両種を並べてみれば、その違いは一目瞭然のはずである。 まず、体形がメナダの方がはるかにスリムで、上から見ると頭部が偏平(縦偏)で、鰓蓋(えらぶた)のところが最も左右に張り出しており胴体より太くなっている。脂瞼は発達せず、地方名の「あかめ」、「しゅくち」が示すように目の上半分と口元が朱色を帯びる。また、メナダの胸ビレ基部には青色斑はない。 メナダもボラと同様に成長に伴ってコスリ→トウブシ→メナダと名前の変わる出世魚である。県内では「えびなご」→「えびな(えぶな)」→「あかめ」→「わかやすみ」→「やすみ」→「ふるやすみ」→「なよし」と変化する。 八田江や福所江など有明海に注ぐ小河川には「江」のつくものが多い。佐賀の平野部を流れる川を「江湖」と呼ぶことから来ており、「えぶな」(江鮒)とは、その様なところに多い魚であることを示す。また、「まいお」(真魚)の地方名は有明海沿岸で古くから漁業の対象として重要な魚であったことを意味するものと思われる。 九州以北の日本全国に分布するがボラより少なく、北に多いとされる。しかし、泥底を好むためか、城原川、田手川の下流で捕獲したものはすべてメナダであった。 |