淡水魚詳細

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エツ    カタクチイワシ科    絶滅危惧ⅠB類

1995.3.14 塩田川(鹿島市) 藤井秀男氏提供

学名Coilia nasus  大きさ60cm
地方名えつ、うばえつ
生息域下流~河口・汽水域、有明海側のみ
内容 有明海は、泥の海というイメージがあるが、実際に泥深いのは有明海の中でも湾奥部だけで、締め切りにより消滅した諫早湾の他は、佐賀県の沿岸くらいである。この水域が、有明海の生物相の独自性を維持しているといっても過言ではない。
 カタクチイワシ科のエツも世界中で、有明海湾奥部だけに生息する日本固有種である。
 体色は銀白色で背側が淡青褐色で、生時は金色の輝きがあるが、死ぬと色はさめてしまう。体形は腹縁が鋭く、刀のような体形である。胸ビレの条が数本、糸状に著しく伸長している。主上顎骨の後部も立派なヒゲを思わせるように後に大きく張り出しており、とても「煮干し」の材料にされるカタクチイワシの親戚とは思えない。
 有明海沿岸各地には弘法大師が流したヨシの葉がエツになったという伝説もある。
 産卵は筑後川と六角川の感潮域の上限の淡水域で行われる。河口付近でふ化した稚魚は、河川やクリークで成長し秋に海に入る。
 しかし、主な産卵場である筑後川では、産卵群自体が漁の対象となっている上に、筑後大堰によって産卵域を大きく減らしている。六角川の場合は、既に完成している河口堰が稼動すれば産卵場そのものが消失するところであったが、幸運なことにこちらの淡水化は回避された。

胸ビレは糸状に伸びる 1995.3.14 塩田川(鹿島市) 藤井秀男氏提供

主上顎骨は伸長する 1995.3.14 塩田川(鹿島市) 藤井秀男氏提供

1995.3.14 (同上)

エサをこしとるための鰓耙 1995.3.14 (同上)

幼魚 1991.8.4 佐賀江水系のクリーク(佐賀市)


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