淡水魚詳細

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カマキリ(アユカケ)    カジカ科    絶滅危惧Ⅱ類

1990.12.12 山口県田万川 九州環境管理協会提供

学名Cottus kazika  大きさ25cm
地方名しゃち、やまほーりゃ
生息域中~下流域
内容 金沢のゴリ料理に使う魚といえば、そのうまさゆえに思い出される方もあることと思う。その隣の福井県には、霰が降るような寒い夜に白いお腹を上にして海に下るという言い伝えから「あられがこ」という地方名もある。
 神奈川-秋田以南、九州の中流域の礫底に生息する。太平洋側より日本海側の方が多いという。秋から冬にかけて、夜間に降海し早春に産卵する。ふ化した稚魚は、約1カ月海で生活し河川に遡上する。
 「石化け」の達人で、身を寄せる障害物のないところでは、胸ビレを体に密着させ、尾を曲げて這いつくばるようにしてじっとしている。鰓蓋(えらぶた)の後縁に4本の棘があり、特に一番上の棘は長い。
 アユカケという和名は石の表面の付着藻類をはみに来たアユをこの棘に引っかけて捕食するという言い伝えからきたものである。カマキリも同じ意味の和名である。
 ヤマノカミと同様に遡上力が大変弱く、階段式魚道はもちろんごく低いコンクリート製の固定堰も越えられないため、近年全国的に減少している。九頭竜川では福井県の天然記念物に指定されている。
 カマキリは県内では1978年の第2回自然環境保全調査報告書(淡水魚類)に筑後川、中川と浜川の3河川に「生息を確認したもの及び文献に確実な記載があるもの」として記録されている。そしてその本文には「昭和39年12月、浜川下流でカニウケに入った7尾を現認したのが唯一の確認資料のようである。この時、カニウケの所有者は、これをウルゴと呼んでおり、聞き取りでも中川能見地区でコオサズと呼んで・・(中略)・・この魚がカマキリと思われるが確認はない。」と結んである。ところが、筆者が木村清郎先生から生前に伺った話では「後年、標本を確認に赴いたところ、カマキリの標本は見当たらず、かわりに7尾のカジカが入った標本ビンがあった」そうである。実際、同報告書ではカジカは筑後川と糸岐川の2河川に記録があり、カマキリの記録がある中川と浜川にはカジカの記録がない。筆者らの調査では、中川と浜川には現在でもカジカが分布している。これらを総合すると両河川のカマキリの記録はカジカを誤認したものであり、カマキリの確実な記録は県内には存在しないのである。なお、筑後川・矢部川魚類目録(1951年発行の九州大学農学部学芸雑誌に集録)にはカマキリの名が掲載されていることをつけ加えておく。

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