淡水魚詳細

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ワラスボ    ハゼ科    絶滅危惧Ⅱ類

1993.11 筑後川

学名Odontamblyopus lacepedii  大きさ35cm
地方名じんきち、すぼ、どうきん、どきゅう、わらすぼ
生息域河口・汽水域、有明海側のみ
内容 有明海沿岸の民家の庭先には、ときどき妙な「縄のれん」が見られる。ワラスボを干す風景である。内臓を抜いたワラスボの鰓穴(えらあな)から口にひもを通してぶら下げておくと、2~3日でかちかちの素干しができあがる。見た目は悪いが、はさみで3cmほどに切って油で炒めて醤油をかけると立派な肴の出来上がりである。保存はきかないが、干し始めて1日ほどの生乾きの頃が最も美味という。
 ワラスボは河口付近の軟泥底を好み、国外では朝鮮半島、中国、インドに分布するが、ムツゴロウ同様に国内では有明海にのみ生息する。
 見るからに長い体形はウナギを思わせるが、癒合した腹ビレが示すようにハゼ科の魚である。胸ビレの背中側の2/3は鰭膜(きまく)がなく、糸状になっており「うちわ」の骨のようである。眼は発達せず結果として成魚では皮下に埋没して機能していない。口は大きく歯は口からむき出しになっている。正面から見た顔は、映画のエイリアンを連想させる。
 潮の引いた干潟で、「スボ掻き」と呼ばれる道具で泥を切るようにして引っかけて捕る漁法が有名なため泥の中に生息する魚と思われがちであるが、潮が満ちてくると水中を泳ぎ回る。立派な歯を持ってはいるが噛む力が弱く、ゴカイなどの餌をくわえて逃がさない程度の機能しか持たないようである。ほかに、アゲマキなどの軟体動物も食べているようである。
 ワラスボより小型で、赤みの強い「あかすぼ」「ちうなぎ」と呼ばれるものは、チワラスボでこちらは静岡以西の河口域や内湾に広く分布している。

1993.11 (同上)


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