淡水魚詳細

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ムツゴロウ    ハゼ科    絶滅危惧ⅠB類

求愛のジャンプ 1995.6.10 六角川(白石町福富下分)

学名Boleophthalmus pectinirostris  大きさ18cm
地方名ほんむつ、むつ、むつごろ、むっごろ、むっとう
生息域下流域、河口・汽水域、有明海側のみ
内容 日本では有明海と八代海の一部にのみ分布する魚で、佐賀の代表のような魚であるが、近年減少が著しく、佐賀平野に住む人でも実物を見たことのない人も少なくなく、トビハゼどころかヨシノボリ類をムツゴロウと思う人すらいる。
 減少の原因は生活排水や農薬、ノリ漁業の影響など諸説あったが乱獲が主原因だったらしく、六角川河ロー帯が禁漁区に指定されて以降、特に1990年からは回復の兆しが見える。
 体の割には大型の歯を持っているが、動物食ではない。潮が引いた干潟表面のケイ藻などの植物プランクトンをかき集めて食べている。この時、盛んに頭を左右に振るため遠くからでも確認できる。潮が満ちてくると自分の巣穴に潜って潮が引くのを待つ。
 成魚は緑がかった灰色~褐色の体色に点々と瑠璃色の小斑点が散在する。また、2つの背ビレと尾ビレには、小斑点が密にあり美しい。幼魚は、褐色の地にトビハゼを思わせるような不規則な黒色斑がある。
 潮間帯に生息するが、100%海水~淡水まで幅広い耐性を持つ。1994年は記録的な小雨の年で、河川からの流下量が極端に少なく、例年は見られないところにも浮泥の堆積が見られた。六角川の河口から30㎞ほど遡った大日堰(武雄市橘町)は感潮域の上限付近に位置する。普段は大潮の満潮時以外は潮の影響を受けない砂底であるが、この年は大水を経験しなかったため浮泥が堆積し、8月の上旬にムツゴロウの3cmほどの稚魚の大群が見られた。このムツゴロウ達は年末には10cmを超えるほどに成長していた。彼等にとっては塩分の濃度よりも泥の条件の方が重要なようである。

約5cmほどの未成魚 1991.11.10 嘉瀬川(佐賀市久保田町)

<闘争する成魚>縄張りをもつ大型の個体は同種の未成魚や、シオマネキなどの侵入者を威嚇、排除するが未成魚と同サイズのトビハゼの侵入は気にしない 1994.6.5 六角川(白石町(白石町福富下分)

約3cmほどの未成魚 1994.8.1 六角川(武雄市)

<ムツゴロウの摂食痕> 1994.12.29 六角川(武雄市)

<ムツゴロウの作った道>摂食中のムツゴロウは数分毎に必ず水の中に飛び込む。水溜りは縄張りを持たない未成魚のオアシスとなる 1994.12.29 (同上)


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