マハゼ ハゼ科 | |||
![]() 1992.7.26 松浦川(唐津市) | |||
学名 | Acanthogobius flavimanus | 大きさ | 25cm |
地方名 | はぜ | ||
生息域 | 中~下流域、河口・汽水域 | ||
内容 | 日本全土と中国、朝鮮半島の河川の汽水域や内湾に広く生息する最も普通に見られる大型のハゼである。夏期には純淡水域にも多く生息する。大衆的な釣りである「ハゼ釣り」の対象となる魚である。 ゴカイ類などの小動物や小魚、藻類などを捕食する。この際、視覚が重要な役割を果たすようで、餌を発見すると腹ビレでバランスをとりながら、胸ビレでのこのこと歩くようにして接近し、一定の距離まで近づくと体勢を整えて一気に飛びかかる。このため、干満の差が非常に大きい有明海側の河川では、干潟の泥が巻き上げられ視覚がきかなくなる大潮時よりも、小潮の時の方がよく釣れるという。 成長したゴクラクハゼやハゼクチに似るが、尾ビレの上部2/3に明瞭な点列が見られ、下側1/3は斑紋がないこと、尾部の下部には青白く光る真珠光沢が見られることなどで区別できる。 産卵は、1月中旬から3月下旬で汽水域の泥底に掘られた2つの出入口を持つY字型の直径5cmほどのトンネル壁面に行われる。1年後に11.5cmほどに成長したものは産卵し死亡してしまうが、8cmほどにしか成長していないものは産卵せず、さらにもう1年生きて産卵後やはり死亡する。 水質の悪化にも耐性が強く、生息域である河口や内湾が汚染によって生き残りはしたが、できもののできたような奇形のものや油臭いものが増えて人気を落としたが、秋から冬にかけてのてんぷらは美味である。 近年、船のバラスト水に混じって密出国したと思われるものがアメリカ西海岸に定着しているという。 | ||
![]() 幼魚の第1背ビレには黒斑が見られる 1993.6 嘉瀬川(佐賀市久保田町) |