淡水魚詳細

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ハゼクチ    ハゼ科    絶滅危惧Ⅱ類

1993.11 筑後川

学名Acanthogobius hasta  大きさ40cm
地方名はしくい、ながれはしくい、はぜ、はぜくち
生息域下流域、河口・汽水域、有明海側のみ
内容 以前、知人から「有明海側のハゼと玄海側のハゼは形が違うのはなぜか」と聞かれた事がある。答は簡単、別種だからである。
 ハゼクチは、日本では有明海湾奥部にのみ分布する魚なので、玄海地方の河川ではマハゼしか釣れないのである。また、冬季に有明海側の魚屋の店頭に並ぶハゼは、マハゼではなくすべてハゼクチの方である。
 マハゼとの違いは、まず大きさ。全国に分布するマハゼが20cmほどにしかならないのに対して、ハゼクチは45cmを超えるものもある。マハゼの尾ビレの上側2/3には点列が見られるが、ハゼクチの尾ビレには点列はない。また、ハゼクチの尾ビレ基部の中央よりやや背中側に寄ったところには、輪郭のぼやけた淡い黒色斑が一つ見られる。マハゼより尾部が長く、それにともなって第2背ビレと尻ビレの軟条がマハゼの13本と11~12本より、それぞれ5本以上多い。
 春から秋にかけて河川や時にクリークでも生活し、晩秋に有明海に入って3月頃に産卵。その後、痛々しいほどやせ細って「流れはしくい」となって1年で一生を終える年魚である。つまり、成長のよいものは1年で45cm以上に成長することになる。広大な干潟を持つ有明海の生産力の膨大さを思い知らされる。
 1994年の夏に糸岐川のJR鉄橋下で干潮時に行った調査では、同じ地点からマハゼとハゼクチの未成魚が捕獲された。大きさはあまり変わらないが、マハゼが流れのある砂礫底に多かったのに対して、ハゼクチは流れのない泥底の方に「すみわけ」る傾向が見られた。

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