ショウキハゼ ハゼ科 準絶滅危惧 | |||
![]() 1996.8 有明海網洗州 濱野大作氏捕獲 | |||
学名 | Tridentiger barbatus | 大きさ | 12cm |
地方名 | とらはぜ | ||
生息域 | 河口・汽水域 | ||
内容 | 国内では有明海や伊勢湾、瀬戸内海、東京湾などの汽水域に分布する。ずんぐりした体型が示すようにチチブ属のハゼである。有明海には多いが、他地域では珍しいのか、観賞魚として高価で売買されているようである。しかし、生命力の強い魚で、船のバラスト水に混入して運ばれたのか、アメリカのカリフォルニア州にも外来生物として定着しているという。 産卵期は7月を中心とした5月から9月で、卵は清掃されたカキ殻に生み付けられ、ふ化するまで雄によって保護される。3年程度生きると考えられている。 シロチチブと同じ場所にも見られるが、本種は河口付近にも見られる。シロチチブの幼魚が河川の影響の少ない干潟域を好むのに対し、本種の幼魚はムツゴロウやワラスボの幼魚のように河川の中に集まる。 本種の最大の特徴は口からほほにかけてワサワサと伸びたヒゲで、和名はそのヒゲが中国の受験の神様、魔除けの神様「鍾馗」を思わさせることに由来する。 <参考> 鍾馗は唐の時代の終南山生まれの青年で、科挙(中国の官吏採用試験)でトップの成績でありながら、ヒゲ面の悪人相のため不合格となり絶望の果てに自殺した。しかし、玄宗皇帝に手厚く葬られ、その恩に報いるため天下国家の災いを除く神となったという。 |