淡水魚詳細

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ヌマチチブ    ハゼ科    

1991.10 嘉瀬川(佐賀市)

学名Tridentiger brevispinis  大きさ10cm
地方名あなはぜ、どんこ
生息域中~下流域、河口・汽水域
内容 物事を強引に押し通すことを示す言葉に「ゴリ押し」という言葉がある。しかし、この言葉が漁法の一種であることはあまり知られていない。ゴリとはカジカやハゼなどの底生魚を総称する呼称であり、川底に敷いたむしろにこのゴリを川底の石もろとも追い込んで捕らえるのである。ゴリ漁の獲物は、多くの場合ヌマチチブである。
 国内の淡水域にはヌマチチブの他にチチブとナガノゴリが生息する。これらの3種は同一種と考えられていたが、最近になって天皇陛下らの研究によって区別されるようになったものである。
 このうち本土に分布するヌマチチブとチチブはよく似るが、ヌマチチブの胸ビレ基部の淡色部には橙色の線が見られる。また、第1背ビレにも2~3本の暗赤色線が見られ、雄の第1背ビレは糸状に伸長する。これに対し、チチブは胸ビレ基部の淡色部には橙色の線は見られず、4cmに成長する頃には雌雄とも第1背ビレは糸状に伸長する。
 県内の全河川の河口から汽水域にかけて見られる3cmほどの黒っぽくずんぐりしたハゼの群のほとんどは、ヌマチチブであることが多い。
 この時期のヌマチチブは体を横断するように淡色の横帯が7~8本見られるが、成長すると見られなくなり黒地に白色の斑点が見られるようになる。このほか環境や精神状態によって白色~黒色まで大きく色彩を変化させる。

未成魚 1994.3.29 半田川(唐津市) 熊本常夫氏捕獲


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