慣例による管理

堀の管理は、古くからの慣例で、堀の近くの水田の持ち主に委ねられていた。東西に走る堀では、その北側に位置する田の主がそれに接する南部の堀を管理した。南北に走る堀では、その東側の田の主がその管理に当たった。管理区域を示すものは「冬堰」と呼ばれ、減水した冬の堀の水面から30センチ内外の高さの堰が設けられていた。冬堰は個人または共同で堀を干して魚を捕るために作られたものが多く、冬といえども排水が続けられるよう冬堰の中央だけは水面以下に掘り下げられていて、次の堀への移動に差し支えないようにしてあった。