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淡水魚飼育の魅力


濱野 大作(佐賀市)


 みなさんは、魚を飼育したことがありますか。魚とは、水の中で何の道具も無く、生きていくことができる素晴らしい生物です。その中でも川魚(温帯性淡水魚)は、私たちの一番身近で、しかも自分で採集してくることのできる魚です。

 こんな狭い佐賀県ですが、かなりの種類の川魚が住んでいます。それは幸いにも、佐賀県が田舎であったことがよかったのでしょう。最近の熱帯魚ブームのせいか、最初から高価な熱帯魚を飼われる方が随分増えてきたように思われます。

 川魚の飼育は、熱帯魚飼育の入門として、大いに役立ちますし、川魚を大切に飼った人は、熱帯魚や海水魚にない魅力にひかれることでしょう。天気のいい日に部屋の中でテレビゲームをさせるより家族で川や沼に行って、一緒に魚を捕るのです。自分で捕った魚には、店で買った魚より愛着がわくものです。この魚はどこの川で、いつ、誰と、捕ったということを、大人は忘れても子供は覚えているものです。捕った魚を飼育していると、その後に死ぬこともあります。大切に飼ってあげないと死んでしまうのです。

 ここで、自分以外の生物、例えば人間や魚に対して、こんな扱いをしたら死ぬ。ここまでやったら駄目になるということを、自分で覚えるものです。淡水魚飼育には、自分で捕る、自分で運んでくる、飼育する、最後に生物の一生をその狭い水槽の中で勉強することができるのです。

 私は小さいころに、朝早くから夜遅くまで魚捕りをしたものです。夜遅く魚捕りをしているとき、お巡りさんに「魚捕れるかい、気をつけて帰れよ」と声を掛けられたこともありました。

 一番身近にいる川魚を飼育するということは、誰にでもできる、経費があまりかからない鑑賞魚飼育としては、大変お薦めできるものです。生き物に対する優しさを養い、また水が汚れてくると魚がいなくなるという視点に立ち、河川の浄化、美化に関心を持つことができるのではないでしょうか。


(はまの・だいさく、ペットショップ経営)